今回のアシテジの芸術家集会は、第8回中国児童演劇フェスティバルといっしょに、開催されました。
私の購入したパッケージには、12枚の公演のチケットが、含まれていました。ただ、シンポジウムや会議やワークショップと重なっていたりして、実際に見たのは、7つです。(それでも、これまでの私からすると、よく見たほうです)。
全体の印象は、「幕の内弁当のようだなあ」というものでした。中国の劇団によるもの、海外の劇団によるもの。子どもがでるもの、大学生がでるもの、プロの俳優がでるもの。シンプルなセットによるもの、大規模なセットや映像を使ったもの。
中国のことわざや有名な話(たとえば、『西遊記』)を演じたもの、西洋のオリジナル・ミュージカルや有名な話(たとえば、『ノートルダムの背むし男』)を演じたもの。
よくいうと、バランスがとれているのですが、フェスティバルのテーマが伝わってくるような選定ではありませんでした。前衛的な公演もありませんでした。
いちばん印象に残っているのは、西安子ども劇団の『おばあちゃんとの24か月』です。6歳の子どもが、都会の親元を離れ、田舎の祖母と暮らすなかで、成長していく話。シンプルなセットでしたが、心温まる公演でした。
2番目に印象に残っているのは、中国国立児童青少年劇団の『東シナ海の人魚』です。人魚伝説の中国版でしょうか。こちらは、空中飛行、せり上がり回転する舞台、特殊映像などを、駆使した公演でした。(日本の劇団四季から、助言をもらったそうです)。
他の参加者から、「少ない観客を対象にした、社会問題(いじめ、貧困、差別など)を扱った、公演がない」という感想も、聞きました。
「中国では、検閲がある。また、政府から助成金をもらっているので、彼らが喜ぶような、大劇場での有名な話の公演になることが多い」ということでした。